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  • [ライブレポート] HYDE In Los Angeles (2019.05.26, 1720)

    撮影:久良木麻椰 5月26日。ロサンゼルスのライブハウス「1720」にて、HYDEは超満員の観客と共にUSツアーのファイナルを迎えた。 Read the English version here! 開演前―。HYDEがロサンゼルスでライブを行うのはおよそ1年半ぶり。大雨にもかかわらず、会場の外には長蛇の列が出来上がっていた。久しぶりに彼の音楽を生で聴けるという楽しみから、ファンの間では笑顔が溢れている。そんなファンを温かく迎えるように、やがて雨も止み、入場が始まる頃には大きな虹が空に架かった。 昨年から本格的にソロ活動を再始動したHYDE。今回は再始動後、初のUSツアーとなった。彼の最新音楽は、今までのソロ活動で発表された楽曲とは違った路線を進んでいる。アメリカンテイストなメタル風味なダークな音が印象的だ。 まさにその新しい音楽性を表す姿で、HYDEはステージに登場した。オペラ座の怪人とジョーカーを合わせたような彼の姿は不気味で、それにもかかわらず、妖艶さも漂っていた。照明のない暗闇の中、彼の光る瞳だけが浮かび上がる。 ステージは「FAKE DIVINE」で幕を開けた。昨年10月にシングルとして発売されたこの楽曲は、新アルバム「anti」にも収録されているパワフルな楽曲だ。 続く「AFTER LIGHT」では、観客とのコールアンドレスポンスも取り入れられていた。数週間前にアルバムの配信が開始されたばかりだというのに、ファンの予習はバッチリだ。 3曲目には、VAMPS時代の楽曲「INSIDE OF ME」が演奏された。メガホンを片手に、満員の観客を見つめるHYDE。アメリカの音楽業界で戦う意志を見せつけるような強い眼差しだ。 優しいピアノの旋律が奏でられる。ロックテイストを残しつつも、今まで演奏されていた楽曲とは一味違うバラード「ZIPANG」が歌い上げられた。古き良き日本を想像して作られた美しく壮大な1曲だ。 その後も「WHO’S GONNA SAVE US」や「LION」などアルバムの楽曲が続いた。終盤では、「MIDNIGHT CELEBRATION II」も演奏された。2003年に発売されたソロアルバム「666」の中でも特にファン人気の高い楽曲を再レコーディングしたものだ。 最後はDuran...

  • [ライブレポート] MIYAVI In Los Angeles (2019.02.23, El Rey Theatre)

    2月23日。El Rey Theatreにて、MIYAVIのレコードリリースショーが行われた。 Read the English version here! 今回の公演は昨年12月5日に発売されたアルバム「SAMURAI SESSIONS vol.3 – Worlds Collide」のお披露目会となった。 午後9時。アルバムのイントロでもある「Worlds Collide」でステージに登場したMIYAVI。冬の寒さを一気に消し去る勢いで会場のボルテージも一気に湧き上がった。続くKREVAや三浦大知とのコラボ楽曲「Rain Dance」、そしてKenKenとのコラボ楽曲「Flashback」。モノクロで統一されたギターと衣装で演奏するMIYAVIの後ろで目まぐるしく変わってゆく照明は、それぞれの楽曲の「色」に彼と観客を染めてゆく。 「SAMURAI SESSIONS vol.3のリリースパーティーへようこそ!」サポートメンバーを紹介した後、MIYAVIはロサンゼルスに戻ってこれたことへの喜びを述べた。「ロサンゼルスでライブを開催すると、いつもたくさんの人が来てくれます。いつもありがとうございます。でも、僕はここに住んでいるので、みんなのご近所さんでもあるんですよ(笑)」とジョークを言うと、会場は笑いの渦に包まれた。 「In Crowd」や「Sicko Mode」など激しい楽曲が続いた。ギター少年のような無邪気な笑顔、ロックスターにしか醸し出せない色気。その異なる両面を彼はステージを駆け巡りながら魅せてくれる。 今回の公演は、スペシャルゲストの参加も見所のひとつだ。ロサンゼルス出身のラッパー・DUCKWRTHを迎えた「U.G.L.Y. 」、そしてシンガー兼プロデューサー・Mikky...

  • [ライブレポート] MIYAVI In Los Angeles (2018.05.08, El Rey Theatre)

    5月8日。El Rey Theatre にて、MIYAVIの”DAY2” World Tour 2018のLA公演が行われた。 Read the English version here! 開場前。平日の夜にもかかわらず、会場の外には長蛇の列ができていた。前回のLA公演から約1年。今回はどんなショーを魅せてくれるのか、ファンたちは期待で胸がいっぱいのようだ。 午後8時半。「Flashback」というパワフルな楽曲でステージに登場したMIYAVI。銀髪にライダースジャケットで登場した彼はまさにロックスターの風貌だ。ライブでは常に大盛り上がりを見せる「So On It」、そして「In Crowd」が続いた。 MCではバンドメンバーを紹介した後、自身の近況報告や告知が続いた。観客の中にはアニメファンも多く、彼も出演する実写映画「BLEACH」の話題になると、大きな歓声がわき上がった。LAで過ごす家族との時間についても触れ、「本日のアシスタント」と長女をステージに呼ぶと、会場は温かい拍手と声援に包まれた。 昨年末、MIYAVIは日本人初となるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使に任命された。MCでは、その活動についても語った。レバノンの難民キャンプで感じたことを赤裸々に話した。ギターを片手に難民と交流を続けているMIYAVI。MC中には、こんな言葉も残した。 「音楽は直接世界を変えられないかもしれない。だけど、音楽は人を変えられる。そして、人には世界を変えられる力がある。」 今回のライブでは、アルバム「Fire Bird」からの楽曲やKREVAとのコラボ曲「STRONG」など、数々の勢いあるナンバーも演奏された。ステージを駆け巡りながら観客との交流を楽しむMIYAVIは、一瞬ともファンを飽きさせない。 「Youth of the...

  • [インタビュー] Lemon & Sugar at Anime Expo 2017

    2017年6月末、Kawaii Kakkoii SugoiではAnime Expoにて、レモン&シュガーのデザイナー・LEMONA DESIGNのインタビューを実施しました。2014年以降、日本中のファンを魅了し続ける可愛らしいキャラクターのルーツに迫りました。 ── さっそくですが、レモン&シュガーのコンセプトについて教えていただけますか。 LEMONA DESIGN 恋に恋する女の子「レモンちゃん」と、レモンちゃんに恋しているぬいぐるみの「シュガーくん」という対象的な2人が繰り広げる”甘ずっぱい”世界をテーマにしています。タイトルのレモン&シュガーには、「恋の浮き沈み」や「人生の起伏」という意味合いを込めています。 ── レモン&シュガーのキャラクターはどのように思いついたのでしょうか。 LEMONA DESIGN 2004年に遡りますが、自作のショートアニメーションでが国際的な賞をいただき、世界の人たちに触れる機会がありました。当時の自分にできる最大限の表現ができ、審査員の方々には評価されたのですが、アート性の強いテーマだったためか、一般の観客の心には届けられなかったような気がしていました。そこから例えばスタジオジブリやピクサーのような、「世界中の人々に響く作品が作りたい」と思うようになりました。魅力的なストーリーを作るには性格の異なる2人のキャラクターが必要と考え、模索し続け、2014年に思いついたのがレモン&シュガーです。 ── Anime Expo 2017を通して達成したい目標などはありますか。 LEMONA DESIGN 世界の人たちに見ていただき、間近で反応が知りたいです。アメリカでは全く知られていないこのキャラクターをどこまで受け入れていただけるのか。レモン&シュガーを世界中で愛されるキャラクターに育てていきたいと思っていますので、今回のAnime Expo 2017がその第一歩となればと考えています。 ── ̶影響を受けたキャラクターやデザイナーなどはいますか。...

  • [ライブレポート] 25th L’Anniversary LIVE (Tokyo Dome, 2017.04.09)

    <4月9日 (日)> たくさんの笑顔を未来へ一緒に連れていく一体感あふれるステージ Photo credit: 今元秀明 / 岡田貴之 / 緒車寿一 / 加藤千絵 / 田中和子 東京ドーム2 Days公演をツアーに当てはめて表現すると、1日目がツアー初日、2日目はツアーファイナルということになる。どんなライヴになるのかを自分たちの肌で確認、把握しながらのぞんだのが初日だとすると、2日目はその感触を踏まえて、さらなる高みを目指したステージとなった。L’Arc-en-Cielというバンドの集中力のすごさを実感した。進化し続ける姿は2 Days公演にも凝縮されていたからだ。 2日目のオープニングナンバーも「虹」だった。が、空にかかる虹がどれひとつとして同じでないように、初日の「虹」とはまたちょっと表情が違う。hydeだけでなく、tetsuyaもkenもyukihiroも歌うような演奏だった。やはりこの曲は特別だ。歌うこと、演奏することが未来への決意表明のようにも響いてくる。映像や照明などの演出においても、細部も含めてしっかり整理されて、よりシャープになっていた。チーム全体として日々レベルアップしていけるところが素晴らしい。「ハロー ワールド!」とhydeが挨拶している。世界10地域13都市16か所でライヴビューイングが行われることも踏まえての挨拶だろ う。さらにこんな言葉。 「みなさんのおかげで25歳になりました。25年たってもこんなにたくさんの人に来てもらえるなんて泣きそうです。嘘です。泣きません。今日はまだまだ先は長いからね」 hydeが客席にウェーブを促して“錬成”を行う場面もあった。1日目も行われたのだが、2日目の方があらゆる面で進化していた。より一体感のあるウェーブになっていたのだ。照明が明るくなったり、L’edバンドが客席のうねりに連動して点滅したりという効果的なサポートもあり、“錬成”感が高まっていた。 2日目は初日には演奏されなかったナンバーが4曲演奏された。そのひとつは4曲目に演奏された2ndシングル曲「Vivid Colors」。開放感あふれるサウンドに乗って、hydeがステージの上手へと歩きながらたゆたうように歌っている。kenが気持ち良さそうにギターを演奏している。「Lies and Truth」ではtetsuyaとyukihiroの生み出す躍動感あふれるグルーヴに客席が激しく揺れた。初日には演奏されなかった「真実と幻想と」が始まると、ひときわ大きな歓声が起こった。エモーショナルなヴォーカル、ブルージーなギター、陰影の深いベース、タイトでありながらふくらみのあるドラムによって、深遠な世界が出現。やはりこの4人が生み出すアンサンブルは唯一無二だ。月に照らされて、海面が揺れる映像から始まり、炎とメンバーとが合成された映像も交えての「forbidden...