撮影:久良木麻椰
5月26日。ロサンゼルスのライブハウス「1720」にて、HYDEは超満員の観客と共にUSツアーのファイナルを迎えた。
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開演前―。HYDEがロサンゼルスでライブを行うのはおよそ1年半ぶり。大雨にもかかわらず、会場の外には長蛇の列が出来上がっていた。久しぶりに彼の音楽を生で聴けるという楽しみから、ファンの間では笑顔が溢れている。そんなファンを温かく迎えるように、やがて雨も止み、入場が始まる頃には大きな虹が空に架かった。
昨年から本格的にソロ活動を再始動したHYDE。今回は再始動後、初のUSツアーとなった。彼の最新音楽は、今までのソロ活動で発表された楽曲とは違った路線を進んでいる。アメリカンテイストなメタル風味なダークな音が印象的だ。
まさにその新しい音楽性を表す姿で、HYDEはステージに登場した。オペラ座の怪人とジョーカーを合わせたような彼の姿は不気味で、それにもかかわらず、妖艶さも漂っていた。照明のない暗闇の中、彼の光る瞳だけが浮かび上がる。
ステージは「FAKE DIVINE」で幕を開けた。昨年10月にシングルとして発売されたこの楽曲は、新アルバム「anti」にも収録されているパワフルな楽曲だ。
続く「AFTER LIGHT」では、観客とのコールアンドレスポンスも取り入れられていた。数週間前にアルバムの配信が開始されたばかりだというのに、ファンの予習はバッチリだ。
3曲目には、VAMPS時代の楽曲「INSIDE OF ME」が演奏された。メガホンを片手に、満員の観客を見つめるHYDE。アメリカの音楽業界で戦う意志を見せつけるような強い眼差しだ。
優しいピアノの旋律が奏でられる。ロックテイストを残しつつも、今まで演奏されていた楽曲とは一味違うバラード「ZIPANG」が歌い上げられた。古き良き日本を想像して作られた美しく壮大な1曲だ。
その後も「WHO’S GONNA SAVE US」や「LION」などアルバムの楽曲が続いた。終盤では、「MIDNIGHT CELEBRATION II」も演奏された。2003年に発売されたソロアルバム「666」の中でも特にファン人気の高い楽曲を再レコーディングしたものだ。
最後はDuran Duranの名曲「ORDINARY WORLD」のカバーが披露された。オリジナルの良さを残しつつも、HYDE独自の魅力が取り入れられている。
「でも昨日のことではもう泣かない」
「生きていくんだ」
過去に囚われず、前向きに進んでいく姿が描かれているこの楽曲は、まるでソロ活動を再始動させたHYDE自身を表しているようだ。
「また秋に!」という言葉を残し、HYDE のUSツアー最後のライブは幕を閉じた。
止まることを知らず、常に進化し続けるHYDE。秋にはどんな姿を魅せてくれるのか、今からとても待ち遠しい。
SETLIST
- FAKE DIVINE
- AFTER LIGHT
- INSIDE OF ME
- TWO FACE
- OUT
- SET IN STONE
- DON’T HOLD BACK
- ZIPANG
- WHO’S GONNA SAVE US
- LION
- UNDERWORLD
- ANOTHER MOMENT
- SICK
- MAD QUALIA
- MIDNIGHT CELEBRATION II
- ORDINARY WORLD
公式サイト:HYDE
ニューアルバム「anti」は6月19日発売。
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