１２月２２日、赤坂BLITZにてOBLIVION DUSTの「LIVE TOUR 2015 “Live Graffiti”」の東京公演が行われた。外の寒さを消し去るような熱いパフォーマンスが繰り広げられた。
Read the English version here!
文：Emi
撮影：緒車寿一
午後７時半—。機械的ノイズのイントロが流れると、メンバーが一人一人ステージに立つ。ARIMATSUのパワフルなドラムで始まる「Radio Song」。会場を埋め尽くすファンはビートに合わせて軽快に飛び跳ねる。RIKIJI (bass)も合わせてストンプしている。どこか懐かしい洋楽を沸騰させる、オープニングに相応しい刺激的なナンバーだ。
会場が赤い照明に照らされる。２曲目はハードなロック・ナンバー「Microchipped」だ。爽快感溢れるサビではモッシュが始まり、ダイバーも出現する。３曲目には「Never Ending」が続く。スタンドマイクで熱唱するKEN LLOYD (vocals)の「Everybody!」という合図でファンはサビの合唱を始める。K.A.Z (guitar)とRIKIJIはARIMATSUのドラムへ歩み寄り、激しい演奏を魅せてくれる。
「OBLIVION DUST “らくがきツアー”へようこそ！今日は楽しみましょうね」とKENの明るいMCが繰り広げられる。先ほどまでのロックな一面とはまた違う、バンドの愉快で微笑ましい一面を見せてくれる。
続く「Black Tongue」では、RIKIJIやyuji (guitar)もコーラスに参加する。５曲目は１９９９年に発売されたアルバム「REBORN」からの「Plastic Wings」だ。サビでは思わずKENの美しい高音に聴き入ってしまう。
優しいギターの音色が流れる。ゆったりとしたバラードが始まると思いきや、雰囲気は一転。ソフトとハードの展開が繰り返される。「Future Womb」特有の魅力だ。
グランジの強い「GIRLIE BOY IMITATION #6」が続く。メンバーがステージを駆け回り、KENの「Come on!」という掛け声に観客も大きく応える。曲の終盤ではRIKIJIがベースを銃のように構えて客席を見渡す。
続くMCでKENが「昨日から様子がおかしくてですね」と言いかけると、観客は興味津々に耳を傾ける。どうやら前日に行われた大阪公演後、KENはすぐさまシャワーへ向かうも、K.A.Zに先を越されていたらしい。続く当日の公演前も、同じくヘアメイクを先越されたらしく、「こういう時だけすばしっこいんですよね」と笑いながらK.A.Zにつっこむ。
笑い溢れるMCのあとは、切なげな雰囲気が漂う「All I Need」、そしてミドル・テンポの「Crazy」が演奏される。普段はあまり聴くことのない日本語の歌詞で儚げな世界観を作り出す。１０曲目には、懐かしいナンバー「Disappear」が続く。
前曲が徐々にフェードアウトすると、K.A.Zのギターの音色が最大限に活かされる「Girl in Mono」が始まる。ギターの高音、そしてARIMATSUの数々のドラム・フィルが目立つ明るい楽曲だ。
会場が一度静まりかえると、再びMCが始まる。KENが最近ライブでよく見られる「ウォール・オブ・デス」への憧れを語る。「でもパクってもしょうがないから、オブリのウォール・オブ・デスは、みんな真ん中に集まって、俺が“Go!”って言ったら、みんな壁にぶち当たる。新しくない？」と笑いを誘う。
「Tune」「Sail Away」と、思わず飛び跳ねたくなるエネルギッシュな楽曲が続く。特に「Sail Away」は深いベース音に助長され、会場がダンスフロアへと変わる。終盤ではスクリーンに映し出される合図とともにファンが手拍子をする。同アルバム「9 Gates For Bipolar」から「Sink the God」が披露される。K.A.Zのギター回しやRIKIJIの力強いベース、そしてKENの激しいボーカル。OBLIVION DUSTらしさが凝縮されている楽曲だ。
MCでは、「今日は本当にありがとうございました。やっぱりオブリのファンは最高ですね」とKENが観客への感謝の気持ちを述べる。
最後のブロックはファンの大合唱が印象的な「Designer Fetus」で始まる。K.A.Zがセンターに立つと、続くナンバーのイントロを弾く。アルバム「REBORN」に収録されている「Goodbye」だ。１７曲目には「Sail Away」と並ぶダンス・チューンの「Haze」が続く。
「24 Hour Buzz」でKENが「This is the last song!」と叫ぶと、会場は全てを出し切るような歓声に包まれる。最後には 「See you in 2016!」とKENが締めくくり、ライブは幕を閉じた。２０１６年はOBLIVION DUSTにとってどんな１年となるか、すでに楽しみだ。
2015.12.22 SETLIST
01. Radio Song
02. Microchipped
03. Never Ending
04. Black Tongue
05. Plastic Wings
06. Future Womb
07. Girlie Boy Imitation #6
08. All I Need
09. Crazy
10. Disappear
11. Girl in Mono
12. Tune
13. Sail Away
14. Sink The God
15. Designer Fetus
16. Goodbye
17. Haze
18. 24 Hour Buzz
One Comment